9月入学になったらどうなる?
現在、政府で議論となっているのは、現行の学年を5か月延長し、来年2021年から9月入学・始業制を始動させるという案だ。
9月入学にするために、学年の終わりを8月に延長する場合、小学生から大学生まで約1550万人の卒業までの期間が延びることとなる。
そうなると、卒業の年齢に遅れが生じる。
また、来年度9月の新入生については、来年4月に入学する予定だった児童(約100万人)の就学が遅れる。
移行期における児童生徒学生数(4月~8月生まれ。約40万人)の増加に対して、教職員や校舎などそれに必要な財源の確保が求められてくることとなる。
メリット、デメリットは?
メリット
欧米や中国など海外では秋入学が主流で、世界の流れに合わせることができる。
そうすることによって、留学生や研究者らの行き来が増え、国際化につながる。
国内からの海外留学も増える。
留学の増加や外国人材の採用などが活発になることが期待される。
デメリット
移行期は人数が多くなるため、受験の難易度が例年に比べて高くなる。
夏の入試となると、試験会場での熱中症対策などが必要となる。
学年の人数が増えることによる、教員と教室の確保。
9月入学移行の場合、3月卒業を前提にした公務員試験をはじめとする資格試験のタイミングとずれたりする問題もある。
友達は?
来年4月から8月までに満6歳となった児童が、来年9月には小学校に入学することになると、同級生だった子ども同士が先輩・後輩の関係になるということに。
1学年の間に最大17カ月の差が生まれてしまう。
そのことによって、児童や保護者の間で、不公平感が広がること出てきてしまうことになるかもしれない。
最近になり政府は「9月入学」をめぐり、小学1年生のみを実質「1年5カ月」とする案を、新たに検討していることが分かった。
来年から導入する場合、2014年4月2日~15年4月1日生まれの子どもを4月にいったん「仮入学」させた上で、9月に「正式入学」させる。政府関係者が20日、明らかにした。
新たな案は、4~8月までの5カ月間を、学校に慣れてもらう「プレスクール」期間として位置付けていて、就学時期を事実上維持しつつ、9月入学に移行できる。
2年生から1学年の期間は従来通り1年間となる。
この案では、小学校はこれまでの6年間から6,5年間に延びることとなる。