「人間国宝」とは、伝統芸能や工芸の分野で高い技術を持つ個人を認定する制度で、重要無形文化財保持者の通称。
文部科学大臣が指定した重要無形文化財の保持者を「人間国宝」と指す。
重要無形文化財は大きく分けて2つあり、[芸能]と[工芸技術]に分けられている。
その中で枝分かれして[芸能]では雅楽、能楽、文楽、歌舞伎、組踊、音楽、舞踊、演芸の8つ。
[工芸技術]では、陶芸、染織、漆芸、金工、木竹工、人形、手漉和紙などがある。
さらにこのカテゴリーの中から細分化されてる。
「人間国宝」とは?分かりやすく条件など解説
重要無形文化財は、どうやって決めているのか?
毎年1回、重要無形文化財の保持者の死亡による認定の解除数、芸能及び工芸技術の分野の実態などを 踏まえて、有識者31名により構成する文化審議会の「専門調査会」における専門的な調査検討。
それを受けて文化審議会の答申に基づき、文部科学大臣が保持者や保持団体の認定を行っています。
なお、文化財保護法上、保持者や保持団体は国が全国的な観点から調査して認定するとしており、 申請制度ないしは推薦制度は採っていない。
保持者又は保持団体の認定には、「各個認定」、「総合認定」、「保持団体認定」の3つの 方式が採られている。
国は、認定された方に年額200万円の助成をしていることから、現在の保持者の人数は予算上116名となっている。
これまでに「人間国宝」に認定された人数は363名(実人員360名)
おもな人間国宝一覧
芸能では、琵琶の演者である奥村 旭翠(おくむら ぎょくすい)、歌舞伎女方の坂東 玉三郎(ばんどう たまさぶろう)、京舞では井上 八千代(いのうえ やちよ)
工芸技術では、小石原焼の福島善三(ふくしま ぜんぞう)などがいる。
昨年2019年に「人間国宝」に追加された人は、講談の神田松鯉さん(76)、歌舞伎脇役の片岡秀太郎さん(77)、歌舞伎音楽竹本の竹本葵太夫さん(58)、人形浄瑠璃文楽太夫の豊竹咲太夫さん(75)、長唄三味線の杵屋勝国さん(74)、長唄鳴物の藤舎名生さん(78)、琉球古典音楽の中村一雄さん(73)となっている。
さらに文化庁は今回新しく和食の料理人や日本酒造りの職人(杜氏)など「食の達人」を追加する検討を始めた。
日本の食文化のブランド価値を高めて海外にPRし、訪日客の誘致や食材の輸出拡大につなげたいとの想いから。
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