近い将来に起きるとされている南海トラフ巨大地震を巡り、紀伊半島―九州の海岸から数十キロ沖合の海底下でプレート境界が強い揺れを出さずにずれ動く「ゆっくり滑り」が2008~18年に少なくとも4回発生したのを観測された。
ゆっくり滑りはプレート(岩板)境界の断層がゆっくりと滑り、地震を起こすひずみが徐々に解消される現象。
東日本大震災が起きる引き金となった可能性も指摘されるなど、巨大地震との関連が注目されている。
南海トラフはいつくるのか?地震の確率や津波は?
四国の南の海底にある水深4,000m級の深い溝(トラフ(舟状海盆))のこと。
南海トラフの各所では、M(マグニチュード)8クラスの巨大地震が約100年から200年ごとに発生している。
過去の南海トラフ周辺の地震
684年白鳳地震(はくほうじしん)
有史以来、確かな記録の残る南海トラフ巨大地震と推定される地震としては最古のもの
M8 – 9などと推定されている。
887年仁和地震(にんなじしん)
M 8 – 8.6前後
1096年永長地震(えいちょうじしん)
M8.4前後
1361年 正平、康安地震(しょうへい、こうあん)
M8.4程度
1498年明応地震(めいおうじしん)
津波は紀伊から房総にかけての沿岸に襲来し、波高は駿河湾沿岸の江梨や小川で8m、伊勢、志摩で6 – 10m。
1707年宝永地震 (ほうえいじしん)
記録に残る日本最大級の地震とされている。
M 8.4 – 8.6、震度7
死傷者数 死者 5,000 – 20,000人。
津波は下田で5- 7m、紀伊半島で5- 17m、阿波で5- 9m、土佐で5- 26mと推定されている。
1944/1946年昭和地震(しょうわじしん)
確率
南海トラフ巨大地震の発生確率は、2018年1月1日時点で30年以内の発生確率は、70% – 80%程度
このことから、2018年1月1日~2048年1月1日。
津波
2011年の想定予想
三重県によるM9連動地震の想定では、津波は熊野市二木島で高さ19m。
震源が近く初期微動時間が少ない熊野市・尾鷲市・紀宝町などでは、地震から津波の到達まで3-4分と短時間で到達する可能性がある。
徳島県の報告によると、美波町阿部漁港奥の20mをはじめとして海陽町宍喰海岸で19mなど最大津波高も高くなった。
20cmの津波の到達時間は、牟岐町牟岐漁港湾口で3分、徳島市のマリンピア沖洲東端で32分とされ、最大の高さの津波が来る時間は30分から90分後と推測されている。
高知県の報告によると、黒潮町34.4m(佐賀支所の浸水14.5m、高知市14.7m(市役所の浸水1.5m、浸水域東西20km・南北10km、最大浸水4m)の津波が予想された。
高知空港全域も浸水し、最大7.5mになるとされている。
南海トラフ巨大地震で、震度6以上か3m以上の津波が想定される市町村の人口は約5,900万人である(東日本大震災での被災者人口は750万人)
2012年の想定予想
津波の最大の高さは土佐湾で20m、三重県周辺で15m、愛知県・静岡県周辺で10mとなった。
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